ロボットコンテスト等のロボット及び産業用・車載用ネットワーク等において、CAN(Controller Area Network)が使われています。簡単にモニタリングしたいとの声を受け開発しました。本機は実験研究開発用の簡易CANモニターです。
用途: CAN通信を用いたロボット制御/産業機器/古い車載ネットワーク等のCANバスに接続して、CANメッセージ確認や実験に。モニタリング以外にも異常監視やCANメッセージ出力も可能です。改造してコントローラ等にも。
特徴: Microchip社のCANコントローラ内蔵トランシーバMCP25625を使用したリアルタイムCANモニターです。MCP2515+MCP2551を合わせ持った機能を持ち、CANバスに接続して2.8inchタッチパネル付きLCDで直接モニタリングできます。ハードウェアフィルタ/ソフトウェアフィルタによりCAN IDやデータフィールドをフィルタリング可能、コンペアアウトによりデータフレームの値を設定した閾値と比較した結果を出力可能、これらにより必要なデータのみを効率的に抽出して表示・出力できます。CAN Vbus電圧の簡易表示機能搭載。
詳細:
・MCP25625搭載。CAN 2.0B、1Mbps max(CAN FD非対応)
・DSUB-9pinオスコネクタ、又は2.54mmピンソケット経由でCANバスへ接続可能。DSUBピン配置切替ヘッダ、ターミネータON/OFF切替ヘッダ搭載。
・ハードウェアフィルタはMCP25625内蔵で高速にCANメッセージIDをフィルタリングします。ソフトウェアフィルタは内蔵のマイコンで単一のCAN IDをフィルタリングしたり、データフレームの切り出し機能を搭載。コンペアアウト機能はソフトウェアフィルタで切り出しされたデータと、設定した閾値とを比較した結果を1/0(High/Low)で画面表示/LED表示/AUXコネクタからトランジスタ出力できるため、異常監視機能としてリレーやソレノイドを駆動出来ます。
・各種出力機能搭載。フィルタリング後のデータは搭載のLCD表示だけでなく、USB-シリアル経由のPC出力、AUXコネクタのSPI送信出力が可能。
・その他各種機能搭載。フィルタリング等の設定を最大8通り記憶できるため、モニター内容を現場ですぐ変更できます。エラー発生時はLEDとエラーコードで通知。
・ファームウェアは独自に改変可能。Arduinoのソースコード及びボードの定義は公開済み。その他回路図、ケースの3Dデータも公開しているため、独自のコントローラーやインタフェースとしても開発可能。裏の4本のビスを外すと分解できます。



寸法: W115×D100×H22mm(突起物除く)
CAN接続: D-Sub 9pinオスコネクタ搭載。ヘッダの差し替えでCAN標準ピン配置(CiA DS102推奨)/OBD-II用ピン配置(市販のOBD2-DB9変換ケーブル接続用)に切り替え可能
電源: CAN Vbus DC7~18V、又はUSB-typeC DC5V
制限事項: 本製品は実験研究用の開発キットです。法令に対応したスキャンツール類ではありません。また暗号化されたOBD2メッセージの表示や診断機能等はありません。通信遅延や内部遅延の仕様上、フィルタリング設定内容によっては表示及びシリアル通信時にCANメッセージが欠落する可能性があります。初期不良交換以外の本機を使用したことにより生じたいかなる事象も保証いたしません。
取扱説明書、各種資料はこちら↓
ファームウェア(Arduinoスケッチ)のリンクはこちら↓
https://github.com/FundyLab/FLCM1
※Arduinoで開発する方法:
・上記リンク先のGitHubのページから、右上の「<> Code ▼」ボタンをクリック、Download ZIPでPCに保存し、解凍して、ArduinoのPGMフォルダ又は任意のフォルダにに移動してください。
・Arduinoのメニューから、ファイル - 設定で、追加のボードマネージャのURL欄に、以下の行を追加してください。
https://fundylab.github.io/arduino-board-index/package_fundylab_index.json
・Arduinoのメニューから、ツール - ボード - ボードマネージャで、検索窓で fundylab で検索して表示される、FundyLab SAMD boards by FundyLab をInstallしてください。
・Arduinoのメニューから、スケッチ - ライブラリをインクルード - ライブラリを管理で、Adafruit ZeroDMA library、Adafruit gfx library、Adafruit ILI9341 libraryをインストールしてください。追加で必要なライブラリが表示されたら、はいを選択してください。
・最後に本機をPCに接続して電源をONし、Arduinoのメニューから、ツール - ポートで正しいポートを選択してください。以上で開発準備完了です。
※ファームウェアのアップデート、機能追加ご要望など大歓迎です。本サイトのお問い合わせから、又は取扱説明書の末尾に記載のメールアドレスまでご連絡ください。
専用ブートローダーBootloaderのリンクはこちら↓
参考回路図はこちら↓
ケースの3Dモデル(STLファイル)はこちら↓
学生教職員の方は学校のメールアドレスからご連絡頂ければSTEPファイル等のご提供や動作詳細説明等も可能です。